堺市美原区「共産党ゼロ票」事件
掲載日:
2026-02-12 07:13:50
/ 事象日:
2019-08-11
/ カテゴリ:
開票とその監視
2019年参院選比例代表で、大阪府堺市美原区において日本共産党・山下芳生候補の得票が「0票」と公表されました。
ところが山下候補に投票したと証言する有権者が複数おり、「自分の票が計上されていない」という疑問から、市選管への申し入れと裁判にまで発展しました。
当時の美原区の人口は約3万7千人、有権者数は約3万1千人で、投票者数は約1万7千人、投票率は55%台でした。
直近の衆院小選挙区選挙では、美原区で日本共産党候補が概ね1,800票前後を得ており、日頃から一定の支持基盤がある地域です。
選挙データを詳細に分析した研究では、2019年参院比例で本来山下芳生候補に入るべき票が、同じ…
続きを読む
2019年参院選比例代表で、大阪府堺市美原区において日本共産党・山下芳生候補の得票が「0票」と公表されました。
ところが山下候補に投票したと証言する有権者が複数おり、「自分の票が計上されていない」という疑問から、市選管への申し入れと裁判にまで発展しました。
当時の美原区の人口は約3万7千人、有権者数は約3万1千人で、投票者数は約1万7千人、投票率は55%台でした。
直近の衆院小選挙区選挙では、美原区で日本共産党候補が概ね1,800票前後を得ており、日頃から一定の支持基盤がある地域です。
選挙データを詳細に分析した研究では、2019年参院比例で本来山下芳生候補に入るべき票が、同じ「山下」姓の別候補に誤って計上された可能性が高いとされています。
その規模は最大でおよそ数十票(約49票)と推計されており、「0か1か」の世界ではなく、現実には二桁規模の票があったはずの中での「ゼロ」という、非常に重い意味をもつ数字だったといえます。
有権者11人が堺市を訴えた裁判では、一審・二審とも市側の責任は認められず、投票用紙の封印を解いての再点検も行われないまま、司法手続きは終結しました。
同姓候補がいる比例代表での集計の難しさ、自治体のチェック体制の甘さ、そして疑義が出ても封印を開けて検証できない仕組み――美原区の「ゼロ票」事件は、そうした構造的な弱点を静かに告発し続ける事例になっています。
出典:
日本共産党大阪府委員会: 投票したのに「山下票(参院選比例票)ゼロ」 私の票はどこへいった 堺市美原区 投票者が選管に解明要求 (
元記事・資料を見る
)
公選法66条2項「投票所ごとの票を開票区ごとに混同して点検」―不正なすり替えがわからなくなる
掲載日:
2026-02-09 02:18:27
/ 事象日:
1950-04-15
/ カテゴリ:
開票とその監視
公職選挙法第六十六条第二項は、開票作業の方法について次のように定めている。
第六十六条
二 開票管理者は、開票立会人とともに、当該選挙における各投票所及び期日前投票所の投票を開票区ごとに混同して、投票を点検しなければならない。
この規定は、「混同」という言葉を使って、同じ開票区の中にあるすべての投票所・期日前投票所の票をまとめて一体として扱い、そのうえで点検・集計することを求めている。
つまり、どの投票所の箱に入った票であっても、開票区ごとにまとめて混ぜてから点検するのが原則であり、「投票所ごとの得票状況」を開票で個別に確認しない前提で制度設計されていることがわかる。
「…
続きを読む
公職選挙法第六十六条第二項は、開票作業の方法について次のように定めている。
第六十六条
二 開票管理者は、開票立会人とともに、当該選挙における各投票所及び期日前投票所の投票を開票区ごとに混同して、投票を点検しなければならない。
この規定は、「混同」という言葉を使って、同じ開票区の中にあるすべての投票所・期日前投票所の票をまとめて一体として扱い、そのうえで点検・集計することを求めている。
つまり、どの投票所の箱に入った票であっても、開票区ごとにまとめて混ぜてから点検するのが原則であり、「投票所ごとの得票状況」を開票で個別に確認しない前提で制度設計されていることがわかる。
「混同して点検する」という仕組みは、特定の投票所や地域ごとの投票傾向が丸裸になることを防ぎ、有権者の政治的選好が過度に細かく追跡されないようにするプライバシー保護の側面を持つと考えられる。
一方で、投票所単位・期日前投票所単位の票の動きを後から検証できないため、「特定の投票所だけ票数がおかしい」「箱の管理が不適切だった」などの疑義が出ても、開票後には追跡・検証が極めて難しくなるという問題もある。
公正な選挙を確保するためには、「混同」の趣旨を踏まえつつも、投票所ごとの投票数・受け付け数・交付用紙数などの記録を、第三者が検証できる形で残し、票が混ぜられる前後の過程が透明になるような運用・記録の改善が重要になる。
甲賀市開票不正事件の概要
掲載日:
2026-02-08 08:28:42
/ 事象日:
2017-10-22
/ カテゴリ:
開票とその監視
滋賀県甲賀市では、2017年衆議院議員総選挙の開票作業中に投票総数が合わなくなった際、幹部職員が不足分を未使用の投票用紙で水増しし、白票として投票箱に混入する不正を行ったとされています。
さらに、本来は開票・集計されるべき投票用紙の一部が未集計のまま残っていたにもかかわらず、幹部の指示により自宅で焼却されるなど、有権者の投票そのものを抹消する行為が組織的に行われました。
これらは内部通報によって数か月後に発覚し、関係した幹部職員らは公職選挙法違反で有罪判決を受け、市から懲戒免職などの処分を受けています。
この事件は、票数が合わなくなったときに「隠す」方向に動いてしまう組織文化と…
続きを読む
滋賀県甲賀市では、2017年衆議院議員総選挙の開票作業中に投票総数が合わなくなった際、幹部職員が不足分を未使用の投票用紙で水増しし、白票として投票箱に混入する不正を行ったとされています。
さらに、本来は開票・集計されるべき投票用紙の一部が未集計のまま残っていたにもかかわらず、幹部の指示により自宅で焼却されるなど、有権者の投票そのものを抹消する行為が組織的に行われました。
これらは内部通報によって数か月後に発覚し、関係した幹部職員らは公職選挙法違反で有罪判決を受け、市から懲戒免職などの処分を受けています。
この事件は、票数が合わなくなったときに「隠す」方向に動いてしまう組織文化と、外部から開票過程を検証できる記録や監視がほとんど存在しないという、日本の選挙管理の構造的な弱点を示しています。
票の出入りを第三者がチェックできる仕組み、全ての投票用紙が最後まで追跡可能であること、そして不正・ミスが起きたときに隠さずに報告できる制度設計が、公正な選挙のために不可欠だと強く示す事例です。
出典:
焼き捨てた400票 前回衆院選で開票不正 元甲賀市課長の悔恨 (
元記事・資料を見る
)